こんにちは、とっちゃんです。
バイクブームは終わったって本当?。
巷では噂のバイクブームは終わったという話題、ライダーからすれば気になりますよね。
結論として終わったのはコ〇ナ需要の中古車市場ブームです。依然新規ライダーの数や、50cc以上のバイク保有数は増加傾向にあり、ライダーにとっては喜ばしい終焉と捉えて下さい。
この記事ではバイクブームが終わったと言われる理由から、ブームを終わらせたい裏事情、最盛期と現代の比較まで、統計から見た明るいニュースを解説します。
バイクブームが終わったと心配している方は読んでみて下さい。
バイクブームが終わりと言われる理由
コ〇ナ下の需要が低下している
コ〇ナの流行によって、「ソーシャルディスタンス」という言葉が広まり、電車などの公共交通機関を避ける人が増えたことで、バイクやキャンプなどアウトドア活動の需要が一時的に高まったことは記憶に新しいことでしょう。
しかしこのブームも終わりを迎え、バイク業界は再び厳しい状況に直面しています。
多くのバイク店では、以前に比べて売れる台数が激減し、業界全体が苦戦している様子です。
バイクだけではないって本当?
バイクブームが終わったと同様に、アウトドアではキャンプ用品の需要も低下しています。
その低下はバイク業界よりも著しく、某有名メーカー「スノーピーク」の2023年12月期決算は、コロナ禍のキャンプ需要減少により減収減益となりました。
売上高は前年比16.4%減の257億円、営業利益は74.3%減の9億円、純利益は99.9%減の100万円となり、話題となっています。
バイクブームを終わらせた原因は?
ライト層のバイク離れ
コ〇ナ需要のブームをけん引してきたライト層のバイク離れも原因の一つ。
バイクの場合は天候に左右され、寒暖差、雨天、事故した際のリスク、維持費と、一時期ハマったとしても熱が冷めれば中々定着しないのがバイクです。
現代は車さえ所有しない若者が多い中、若年層はさらにバイクから離れ、お金に余裕があるおじさん達がバイク業界をけん引しています。
相次ぐ値上げラッシュや所得低下
金銭的な理由でバイク離れが起きていることも大きな理由です。
近年は円安の影響もあり光熱費、食料品、金利など様々な商品が値上げされています。
政府の経済財政諮問会議で30代半ばから50代半ばの世帯の所得が、20年前と比べて100万円以上減少しているという調査結果が報告され、さらに若年層でも所得の減少は続いています。
バイクにお金を回す余裕が無いことが、多くのバイク離れを加速させている要因とも言えるでしょう。
ここまでが一般的に言われる令和バイクブーム終焉の理由です。当サイトではさらに深堀していきたいと思います。
バイクブームが終わったと煽りたい理由
バイクを買取してもらいたいから
筆者もサイト運営者の端くれです。バイクブーム終わりと記事を書くのであれば、バイクの買取と兼ね合わせる必要があります。
理由はブームが終わったと記事を読む方の心理を誘導し、買取につなげることで買取業者から利益が出るからです。
おそらく検索されたページやYouTubeなどでは、買取業者のリンクが張られていることでしょう。
ブームについては敏感な人も多いのが特徴です。ブームは過ぎ去った、オワコン、ダサいなどを気にする方も多く、そのため再生回数やPV需要も高くなります。
人は物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しやすい習性がある点を利用しています。
バイクブームの終わりは中古車市場のかき入れ時とも言えるでしょう。
バイクブームが終わったのは中古市場
中古車市場の下落
バイクブームが終了して一番影響があるのは中古市場です。バイクショップでは軒並み厳しい経営に陥っているという話をよく聞きます。
新車の供給が滞り、新車より高値を付けても売れていた時期とは違い、中古市場の在庫も急増し、価格も下落しています。
価格の下落が緩やかな理由は、買取価格が高い時期に仕入れた車両は損切りをしない限り価格を下げられない背景があり、急激な下落は現在のところありません。
しかし新車で購入できるようになった現在、新車価格と変わらない中古車を購入する人は少なく、新車の方に需要が流れるでしょう。
適正価格に戻ってきている
バイクブームに伴う中古車価格は異常なまでに高騰していました。
もちろん商売ですから需要と供給のバランスは致し方ない点もあります、しかしバイク価格の高騰はバイクショップだけが悪いわけではありません。
つまりバイクに乗りたい方に伴うブームとは別に、市場としてのブームがあったと言えます。
ブーム時に特に買えないと話題になったZ900RS、特に50thアニバーサリーモデルやSEなどは転売や投資目的などで購入する人の格好の餌食になってしまっていました。
2024年現在は新車価格と中古車価格の逆転現象が適正価格に戻りつあり、徐々に必ず下落していきます。
下落する根拠は、買えないと話題になった車種、Z900RS、GB350、レブル250、ハンターカブなどいずれも現行車として販売されているからです。
中古車市場の異常なブームは間違いなく終わったと考えてもいいでしょう。
Z900RS SEに限らず、車でも限定車は標的になり、レクサスやアルファード等は有名です。
バイクブームをけん引していたライダーは?
40代~60代のライダー
令和のバイクブームをけん引していたのは、若年層の方とよく言われますがそうではありません。ブームを支えていたのは40代~60代のライダーです。
つまり平均年齢は54.2歳であることから元々所有していた方や、リターンライダーが大半であったと予測が出来ます。
若年層は年々減少し続け、若者の車離れと言ったワードも聞かれるぐらいです。
バイクの魅力はもちろん素晴らしいですが、金銭面、置き場所、車と比較すれば不便であることは否めません。
40代50代60代でバイク購入層の75%を占め、70代を合わせると86%も占める割合となります。
この数字が何を意味するかと言うと、40代がバイクに乗らなくなる約30年後にはバイク業界は半数以上縮小する恐れもあるでしょう。
バイクブームはとうの昔に終わっている
最盛期は1980年代
コ〇ナ下で需要が高まったとは言え、1980年代のバイクブームには遠く及びません。
もちろん高度経済成長期の景気が良かった影響は大きいですが、全盛期の販売台数は約6分の1まで減少しています。
上記の表は日本自動車工業会の2輪車販売台数の統計です。
1980年代をピークに、2010年には40万台前半、2016-2020年の40万台割れを令和のバイクブームによってようやく40万台まで回復しました。
つまり2010年にはすでにバイクブームは終わっていたとも言えるでしょう。
年代 | 現在おおよその年齢 | 年代別のブーム |
1970年代 | 60~70代 | ミニバイク、ナナハン到来 |
1980年代 | 50~60代 | レーサーレプリカ |
1990年代 | 40~50代 | ネイキッド、アメリカン、ストリートバイク |
2000年代 | 30~40代 | ビッグスクーター |
2024年から年代を引いて自動二輪免許取得が出来る16歳を足すと、現在のおおよその年代が分かり、現在の購入層と重なります。
良い意味でも悪い意味でも社会現象まで発展したバイクブームばかりです、2010年以降は大きなブームはなく、徐々に衰退していきました。
最盛期と現在の比較
項目 | 販売台数 | 生産台数 |
1980年代 | 2.356.744台 | 6.434.524台 |
2022年 | 405.201台 | 694.968台 |
比率 | 約1/6に減少 | 約1/9に減少 |
1980年代と比べて販売台数は約1/6に減少、生産台数に至っては約1/9にまで減少しています。
令和のバイクブームと言われるものは2020-2021年にかけての需要の高まりです。
年度 | 販売台数 |
---|---|
2019 | 362,304台 |
2020 | 365,942台 |
2021 | 415,892台 |
2022 | 405,201台 |
2020年から2021年では5万台ほど需要が増えていることが分かります。新車で買えない、生産が追い付かないと言った情報が飛び交っていたのは記憶に新しいことでしょう。
2024年現在は生産が追い付き、買えないと言われる車種も新車で購入できるようになってきました。
バイクブーム終了に影響を与えている排気量
原付第一種
著しい現象が見られるのは50cc以下の原付第一種、最盛期の販売台数の1/15程に縮小しています。
全体の3割を占める人気の排気量であり、生活の足として愛用されてきた排気量ですが、車の普及率が上昇するにつれ生活の足として利用する方も徐々に減少しています。
排ガス規制伴い、2025年11月には生産中止になり125cc枠に入る予定です。しかし現在の価格では販売されませんので、2026年以降は30万台を下回るかもしれません。
またコ〇ナ下のバイクブーム同様に転売目的の買い占めや、中古車価格上昇も考えられます、50ccの新車が欲しい方は生産終了する前にご検討下さい。
原付第二種は好調
原付第二種50~125ccは、生産台数、販売台数、輸出ともに好調です。
また原付第一種が終了になることにより、さらに需要が増えることも考えられます。
爆発的に売れているのはハンターカブやPCX、今後バイクブーム終焉の歯止め役になってくれる排気量と期待しています。
普通免許ではパワーダウンした125ccのバイクの一部を加えるという趣旨の法改正がされる予定であり、現在の125ccは小型限定か自動二輪免許が無ければ乗れません。
この辺りをもう少し緩和して頂ければ、追い風となってくれるでしょうが、現在の政治では無理でしょう。
バイクブームは終わっていない?
教習所は相変わらず混んでいる
バイクブームは終わったと言われていますが、教習所は現在でも混みあっているような状況です。
教習所に通っている方はよくご存じの方も多いと思います。
新規のライダーが増えることは非常に喜ばしいことであり、卒業後は安全運転で公道を走りましょう。
二輪業界はもう少し新規のライダーに、補助が出るように政府に掛け合って欲しいくらいです。
理由は自動車は保有数が多いとはいえ、エコカー減税やEV補助金など様々な補助金が出ています。
バイクで補助金が出るのはETCやEV関連のみ、スーパーカブなど燃費に優れたバイクはEVでなくても環境にも優しいわけですし、訳の分からない団体に補助金を出すのであれば、新車を購入してくれるライダーの負担を多少なりとも軽減しても良いのではないのでしょうか?
保有台数は減っているが、125cc以上は増えている
こちらの表は二輪車保有台数の統計です。
最盛期は全排気量含め1820万台、現在は1030万台と減少しているという悲観的な印象ですが、排気量別に見るとそうではありません。
年代 | 原付第一種 | 原付第二種 | 軽二輪車 | 小型二輪車 |
排気量 | 50cc以下 | 50-125cc | 125-250cc | 250cc以上 |
1985年 | 約1460万台 | 約175万台 | 約105万台 | 約78万台 |
2022年 | 約450万台 | 約195万台 | 約206万台 | 約180万台 |
著しく保有台数を減らしているには原付一種50cc以下のみです。
確かに生産台数や販売台数は最盛期には及びませんが、50cc以上を保有している実際のライダーは増えています。
他の統計だけを見ればバイクブームは終わったと悲観的な印象を受ける統計ですが、違った見方をすれば50cc以上のバイクブームは以前続いているといっても良いでしょう。
バイクブームが終わったのは国内だけ
世界トップの日本メーカー
2023年に発表された世界二輪車統計の世界シェア率です。
HONDAは世界シェア33.8%と圧倒的、YAMAHA、SUZUKIが加われば世界シェア44.8%と世界の約半数を日本の二輪メーカーが抑えています。
アジア圏内が多いと思われがちですが、多くは欧州48.8%、北米(アメリカ)31.2%だけで80%を占めています。
日本企業を追いかけるのはインドの二輪メーカーであり、インドの市場は現在世界の二輪市場のターゲットです。
日本国内で爆発的に売れているGB350も、元々はインド市場向けの車両を国内向けに販売したモデルであり、各国のメーカーはインドに工場を構えており、ロイヤルエンフィールド、トライアンフ、KTMなどもインド製のモデルが多くなっています。
円安が続けば追い風となり、輸出産業もさらに加速していくでしょう。
バイクブームを終わらせないために
ライト層を大切にする
バイク業界におけるファン層を考える際、コア層とライト層の二つのグループ分ける必要があります。
- コア層=熟練ライダー
- ライト層=初心者ライダー
ライト層は製品やサービスを楽しむものの、他の業界へに移行する可能性が高いファンです。
バイクの新しいトレンドや革新的な技術に興味を持ちやすく、新しい製品を試すことにも積極的な反面、ゴテゴテのバイクらしさは求めていない傾向があります。
メーカーロゴがゴテゴテに入った、バイクジャケットなどが良い例でしょう。
バイクでは機能面が重視されますが、デザインを優先させたカジュアルなジャケットも必要です。
ライト層がより入りやすいような案を考えてみました。
- 2輪免許取得費用割引、〇歳以下限定
- 高燃費車の新車割引制度
- 普通免許で125ccまで運転できる
賛否が分かれるのは普通免許で125ccまで運転できるように緩和するという処置、このような緩和がされれば125ccの需要が爆発的に増えるでしょう。
しかし法改正や免許制度の改定はかなり難しいことも考え得られます。
筆者の意見としては普通免許の項目に原付2種を織り込む、またはセット割引のような免許取得プランがあれば受講しやすいのではないかと思います。もちろんセット割引価格は必須です。
普通免許さえあれば学科教習1時間・技能教習10時間程度で済み、教習所であれば費用は8~12万円が相場になります。
普通免許+5万円(希望は3万円)で原付2種が取得できるのであれば、ライト層もより増え、125ccでもMT車は数多くありますので、自動二輪免許取得への架け橋となってくれれば良いでしょう。
50cc以下を無くすのであれば、政府もこのくらいの処置をしてくれても良いと考えるのは筆者だけではないはずです。
時代とともに変化していくバイクの楽しみ方
1980年代のバイクブームは日本国内の経済が豊かになり、バイクを所有すること自体に意味があり消費形態が現代とは異なります。
2024年に自工会 二輪車委員会が報道関係者向けに開催したメディアミーティングでは、モノはもちろん、コト、トキ消費にファンづくりの重要性を説明されていました。
消費形態 | 定義 | 代表的な例 |
---|---|---|
モノ消費 | 物理的なバイクを購入する消費形態。 | 車体、パーツやアクセサリー |
コト消費 | バイクに関連した体験やサービスを消費する形態。 | ツーリング、キャンプツーリング |
トキ消費 | 特定の瞬間や場面でしか得られない体験を主体的に楽しむためにお金を支払う形態。 | イベントへの参加、レース観戦、バイクショーへの参加 |
バイクブーム終わりまとめ
令和のバイクブームは中古車市場は終わりました、しかし依然新規ライダーの数や、50cc以上のバイクは増加傾向にあります。
これから免許を取得しようとしている方には明るいニュースを、売却を考えているいる方には踏み留まるきっかけになって頂ければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。