こんにちは、とっちゃんです。
バイクのホイールベアリングを交換したことありますか?と聞かれてほとんどの方は「えっ・・・交換したことないよ?」と答えます。
バイクに使用できるベアリングとして純正ベアリングと社外ベアリングがあります。
今回は社外ベアリングの選び方として・・・
- バイクのホイールベアリングに使用できるもの
- ベアリングの種類と特徴
- ベアリングのサイズの見方
- 内部のすき間の選定
- 潤滑グリース記号の種類
現在所有のバイクが走行距離伸びてきたり、所有期間が長くなってくるとホイールベアリングのメンテナンスは欠かせなくなります。
バイクの社外ベアリングの種類や選び方、交換まで解説していきます。
バイクのホイールベアリングに使用できる種類は?
深溝玉軸受と呼ばれるベアリング
ひと昔古いバイクでは純正部品として開放型と言われるラジアルボールベアリングを採用しておりました。(シールドやゴムシールがないタイプ)
ベアリングは回転や往復運動する相手部品に接して、軸などを支持する部品です。
バイクで言えばホイールのベアリング、エンジン内のベアリングなどがあります。
ベアリングなくしてはバイクは動きません、それほど重要な部品です。
ホイールに関してはアクスルシャフト(ホイールを支えるボルト)との摩擦をなくし回転をスムーズにすることが最大の役割です。
ベアリングの交換時期は使用状況によって異なる
ベアリングは消耗部品です、とはいえ走行距離や使用状況によって交換時期は異なります。
一般的には2万km~3万kmと言われております。
もちろん日々のメンテナンスなどで交換時期を延ばすことができます、一度も交換したことがない方は交換すると体感するほど走りが変わります。
壊れてからでは遅い重要な部品です。
点検時にベアリングの穴に指を入れ引っ掛かりがある、ゴリゴリするなどの症状がある場合も交換目安です。
エンジンオイルと一緒で交換時期がきたら予防交換として新品のベアリング交換をおススメします。
ベアリングの種類と特徴
開放型
ベアリングの中でも最も多方面に使用されているタイプです。
開放型とはシールドがないタイプのを指します。
材質は他のベアリングと同様に高炭素クロム軸受鋼です。
バイクではホイールのほかにエンジン内部などにも多数使用されています。
鋼板シールド形
開放型に金属のシールドが取り付けられています。
表記としてはZZ又はZと表示されています。
鋼板方には二種類
- 両側鋼板シールド形(ZZ)
- 片側鋼板シールド形(Z)
がありシールドが両面か片面かという分け方になります。
接触ゴムシール形
昨今のバイクはシールタイプのものがほとんどです。
こちらも片面シールと両面シールがあります。
表記としては
- LLU(両側接触ゴムシール形)
- LU(片側接触ゴムシール形)
※NTN表記です。
※NSK製はDDUです。
両面非接触型=LLBのモデルもあります。
ZZとLLUの特性表です。
摩擦トルク | 防塵性 | 防水性 | 高速性 | 耐熱温度 | |
鋼板シールド形ZZ | 小さい | ○ | △ | ◎ | グリスによる |
ゴムシールド形LLU | 大きい | ◎ | ◎ | 〇 | -25から110 |
詳しく知りたい方はメーカー様HPをご参照ください。
リンクはこちら↓
※NTN様HP https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/ja/3015/index.html
メーカー様の試験はこの通りです。
- 摩擦トルクと温度上昇試験
- グリース漏れ試験
- 防塵性能試験
- 泥水噴霧試験
総合的にLLUにがバイクにとっては適しているようです。
純正部品にも使われています。
グリスアップやメンテナンスを頻繁にされる方は、高速性の高い、開放型やシールド形という選択もできます。
開放型、シールド形と、両面シール型を二つ同時に回すと前者たちのほうが耐久性は別として、断然回転がいいです。
LLU、DDU(両面シールタイプ)がおススメ
理由といたしまして
- 一般ユーザーは交換頻度が少ないので、耐久性のあるLLCのほうが安心できる。
- ZZの金属シールタイプは、グリスアップ時に金属シールが曲がりやすい。
- ベアリングを保護する、ダストシールがあるとはいえZZは防水性がイマイチ。
- ネット上どこでも買える、販売している人が多い。
- 購入時にグリスが封入されているのでグリスを購入しなくても済む。
国内バイクベアリングメーカー
1.NSK・・・日本ベアリング業界最大手、世界シェア3位。
2.NTN・・・世界シェア4位のベアリングメーカー。ハブベアリングは世界シェア1位。
3. ジェイテクト・・・(豊田工機と光洋精工が合併)←ブランド名はKoyo
国内三大メーカーといわれております。
性能差はないと思います。
入手のしやすさや、お好みで選んでいただければと思います。
NTNやNSKは純正ベアリング製造メーカーですので安心感があります。
特殊な高性能ベアリングもラインナップされております。
メーカー様HPをご参照ください。
ホイールベアリングのサイズの見方
ご自身のバイクの、ベアリングサイズを確認しましょう。
ベアリングの規格は、内輪・外輪・厚さで決まっています。
各メーカーサイズ規格は共通です。
パーツリストのホイールの欄にベアリングの型番が記載されています。
ベアリング本体にもシール部又は、本体エッジに刻印があります。
6004や6302、6204などの記載があり、その数字がベアリングのサイズです。
社外ベアリングはベアリングサイズが合えば使用できます。
純正ベアリングを購入したい方は純正品番をもとに購入してください。
シールド形の種類の見方
6004←数字の後に英数字の記載がない場合はベアリングは開放型になります。
例えば6004サイズの両面シール(両側接触ゴムシールド形)が欲しい場合は・・・
6004LLU=(NTN) 6004DDU=(NSK)を購入すれば使用できます。
金属シールド形(両側鋼板シールド形)にしたい場合・・・
6004ZZを購入すれば使用できます。
メーカー別の表記表です。
NTN | NSK | KOYO | |
両側鋼板シールド形 | ZZ | ZZ | ZZ |
両側接触ゴムシール形 | LLU | DDU | 2RS |
すき間の選び方
サイズのほかに注意する点があります。
例えば6004LLUC3・・・このC3と記載されているのはベアリングの隙間の記載です。
特に記載がなければ普通隙間ということになります。
バイクのホイールベアリングの隙間に関しては別途記事を書いておりますのでそちらをご覧ください。
バイクのベアリングすき間選びの悩みを解決!CNとC3どっち選ぶ?
一般的にはC3すき間が推奨されています。
様々な方がこの隙間に関して議論があり、CNとC3隙間論争とも言われています。
筆者個人の意見といたしましては、公道を走行するにあたっては気にしなくていいと思っております。
私の考えではCM=CN=C3です。つまりどれでもいい・・・
CMはメーカー様がCNとの代用可となっております。
この隙間に関しては様々な人の意見を見てみることをオススメします。
封入されたグリスについて
ベアリングの型番に6004LLU/5Kや6004LLU/2ASなどの記載があります。
・5Kは合成油ベースのリチウムグリース
・2ASは鉱物油ベースのリチウムグリースです。
記載がない場合はどちらかのグリスが封入されています。特にグリスにこだわりがない方は封入されたままの状態で使用してください。
封入されているグリスのスペックはこちらです。
5K=マルテンプURL | |
増ちょう剤 | リチウム石けん |
基油 | エステル系合成油 |
ちょう度 | 250 |
使用温度範囲 | -50℃~150℃ |
2AS=アルバニアS2(昭和シェル石油) | |
増ちょう剤 | リチウム石けん |
ちょう度 | 283 |
使用温度範囲 | -25℃~120℃ |
マルテンプはリチウム系の中でもトップクラスです。
グリスをお好みで変えたい場合は一度グリスを除去してから再充填するということなります。
開放型の場合はグリスは封入されていません。
評判のいいグリスはこちらです↓
DIYかショップで交換の料金比較
お店で交換してもらう場合の工賃
フロントホイールベアリングの交換工賃…6000円~12000円から。
リアホイールベアリングの交換工賃…6000円~16000円から。
(ホイールのみ持ち込み)の交換工賃…2,000円~となっています。
車種により金額は異なると思いますが前後の交換で工賃だけで30000円ぐらいかかるようです。
30000円+部品代ということになりますね。
ご自身で交換する場合
交換に必要な工具+部品代です。
交換したことがない方はベアリングプーラーやベアリングレースシールドライバーが必要になります。
参考価格として
安く購入出来て10000円ほどです。
ただし、考えることはみんなさん一緒で・・・めったに使うことのない工具に10000円も出せない。
行きつく先は自作工具です。
交換の要領さえわかれば工具は自作で作れます。ベアリング工具自作で検索すればたくさん出てきます。
工具を自作すれば1000円もあれば作れますので、部品代+自作工具部品代となります。
もちろんホイールの脱着に必要なジャッキなどをお持ちの方での話ですが・・・
・お店で交換すると30000円+部品代(ホイール持ち込みの場合はもっと安くなります)
・ご自身で交換する場合、工具代+部品代です。
30000円が高いかといわれても、私は決して高くないと思います。
工具をあまりお持ちでない方はまともな工具を揃えるだけで30000円を超えます。
餅は餅屋と言われているようにプロに任せるに越したことはありません。
バイクを乗るにあたっての安心、安全と考えるならプロに交換してもらい、ご自身のスキルに合った選択をしましょう。
まとめ
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走行距離、又ベアリングの状態を確認する
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ベアリングサイズを確認する
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サイズの語尾の英数字を確認する
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DIYで行うかお店に頼むか考える
ベアリング交換は初心者の方には少し難易度が高い整備になります。
間違った圧入を行うと大変危険です、無理せずにショップに相談して下さい。
ホイールベアリングを交換して快適にツーリングをしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。