こんにちは、とっちゃんです。
ガレージの床を塗装したい、DIYだと失敗するかな?DIYでもできる方法を教えて。
ガレージのコンクリートは経年劣化と共に、傷が付いたり剥がれてきたりしてしまいます。またタイヤ跡の見栄えが悪くなった床を、DIYでキレイにしたいと考える方も多いでしょう。
正しい手順で行えば、市販のコンクリート塗装商品でも十分キレイに塗装出来ます。
この記事ではガレージ内の床の塗装の種類から、必要な道具、塗装の工程、作業中の注意事項まで見ていきましょう。
もちろん筆者はDIY上級者ではなく、元一級左官基幹技能士。
ガレージの床を塗装する前に
ガレージの床はいくつかの種類で施工してある場合があります。
- コンクリート素地
- エポキシ塗床
注意したいのはエポキシ樹脂で施工されているガレージです。光沢があるような床や防滑タイプ、一般的に塗床と言われエポキシ樹脂系の材料で施工してある床になります。
このようなガレージの場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
理由としては施工のハードルが格段に上がり、専門技術がないと難しいからです。もちろんDIYでも行えないこともありませんが、研磨道具から専門機材が必要になります。
さらにエポキシ系樹脂の塗床は、有機溶剤が含まれるため人体には悪影響で、防毒マスクや換気設備も必要です。
材料自体は一般の方でも購入できますが、間違った配合や施工不良によって剥がれやすい塗床になってしまいます。
無理をせずに専門業者に依頼しましょう。
今回はコンクリート素地のガレージに気軽に施工できる、アクリル系コンクリート塗料についての解説をさせて頂きます。
ガレージ床塗装のメリットデメリット
メリット
- 施行が簡単である
- 仕上がりがキレイ
- コストが安い
- デザインが自由にできる
基本的には施工には刷毛とローラーのみで行います。初心者の方でも簡単で技術の差はほとんど現れないのもメリットです。
コストとしては他の仕上げ、Pタイルやタイルカーペット、クッションタイル、木材と比較しても安く仕上げることが出来ます。
また塗装の場合は、自由にデザインを決めることが出来ます。ライン引きや、文字のデザインも可能です。
デメリット
- 剥がれやすい
- 傷が付きやすい
- 水が絶えず当たるところには弱い
- 荷重がかかる場合は不向き
安価に施工できる分、専門業者による塗床よりは耐久性は低く、剥がれやすく、傷が付きやすいデメリットがあります。
また湿気が多い所や、常時水が当たるところ、荷重が掛かるところは、市販のアクリル塗料では特に剥がれやすいです。
ただし施工自体は簡単なので多少剥がれたり、傷が付いても簡単にタッチアップして補修することが出来ます。
市販の塗料で適しているガレージは?
市販のアクリル系床塗料で施工するのに適しているガレージは
- 物置として使用している
- バイクガレージとして使用している
- 作業用に使用しているガレージ
市販の塗料で適さないのは
- 車を入れるガレージまたはカーポート下の土間
- フォークリフトなどで重量物扱うガレージや倉庫
車の重量によっては簡単に剥がれてきてしまいます。もちろん乗っただけでは剥がれませんが、タイヤのグリップで剥がれることがあります。
車を入れるガレージの場合は、多少剥がれるということを承知の上で施工して下さい。
フォークリフトなどで重量物を扱うガレージや倉庫は、市販の塗料では耐久性が不十分です。専門業者へ依頼をして下さい。
ガレージの塗装に必要なものは?
下地処理で必要なもの
- 防塵マスク
- 保護メガネ、保護手袋
- コンクリート補修材+補修に伴う道具
- ベビーサンダーまたは金ブラシ
- スクレーパー
- 掃除機またはブロア
下地処理に埃が出る作業がある場合は防塵マスクや保護メガネをした方が安全です。
またコンクリートの状態によっては不陸の補修や、クラック(ヒビ割れ)の補修が必要になります。
汚れが酷い場合は金ブラシやデッキブラシで汚れを除去してから塗装を行いましょう。
下地処理が済んだら埃を残さないように、掃除機やブロアで除去する必要があります。
ガレージ床塗装に必要なもの
- 養生材(マスカ、マスキングテープ)
- 刷毛
- ローラー×2
- ローラーの柄
- カラバケツやローラートレイ
- シーラー(プライマー)
- 塗料(床用)
塗装に必要なものは多くありません、汚れてはいけないところは、マスキングテープやマスカーで養生をします。刷毛は細かい所と、ローラーでは塗れない箇所に使用します。
ローラーは使い捨ての物にして構いません、一日で施工する場合はシーラー用と塗装用は分けたほうが良いでしょう。
ローラーの柄は立ったまま作業できるため、作業中の負担が軽減できますし、塗りやすいメリットもあります。
必要なものは以上ですがあくまでも一例です、代用できる物は作業に合わせてを利用しましょう。
初めて作業される方はセットで購入できる商品がおすすめです。
全ての塗装は下地処理が命
コンクリートの補修
板金塗装であろうと壁の塗装であろうと、床のコンクリート塗装でも下地の状態が仕上がりを左右します。
コンクリートの状態によっては不陸調整や、ひび割れの補修をした方がキレイに仕上がります。いくつか例を挙げていきましょう。
コンクリートに傷や穴がある場合は、コンクリート用の補修材を使用して床を平滑にします。材料としては0mmまで擦りつけられるものがいいでしょう。
キレイに塗れなくても、乾燥後に80番程の荒い番手のぺーパーを当てればキレイになります。
道具としては100円均一の左官用こてや、ヘラなどのようなものでも十分です。
床にひび割れがある場合は、ひび割れ専用の充填剤を使用して、ひび割れを処理します。
コツとしては少し盛り上がるように充填し、乾燥後に削り取る方がキレイに行きます。
「補修材ではダメなの?」と言う疑問については、表面しか詰まらないため、流動性がある専用の方が良いでしょう。もちろんそこまで気にしないという方は、補修材でも構いません。
続いてコンクリートが分離している例を挙げていきます。
完全に分離して、金づちでたたくとパカパカいう音がします。そのような場合は、補修や充填では治せません。目立たない箇所や荷重が掛からない所は、補修でも構いませんが、基本的にはコンクリートを新しく打つ必要があります
鉄筋やワイヤーメッシュが撤去後にも出てこない場合、既存の床にドラゴンアンカーを打ち、新しいコンクリートやモルタルを打設しましょう。
ただここまでやってしまうと、乾燥期間を含めてかなり時間が掛かってしまいますので、DIYで行うなら多少の妥協も必要です。
それでは具体的な手順を見ていきましょう。
ガレージの床を塗装する手順
下地処理
1.まずは汚れやコンクリートの脆弱部(簡単に剥がれるところ)を、スクレーパーなどでケレンを行います。
汚れがひどい場合はデッキブラシや、金タワシを使用して念入りに行いましょう。
油汚れがひどい場合は、中性洗剤などをかけて水洗いして下さい。※水洗いした場合はしっかり乾燥させてから、次工程に進んでください。
DIYで行う方のほとんどが、ここで手を抜いてしまいます。一番地味な作業ですが、最も大切な作業です、のちの耐久性も左右されますので、しっかり時間をかけましょう。
手作業では大変な場合は、ベビーサンダーなどで作業を効率化して下さい。
※埃が出る場合は、防塵マスク、スクレーパーを使用する場合は、保護メガネや保護手袋をした方が安全です。
作業が終了したら、軽く清掃をかけて下さい。
2.コンクリートの補修を行う
ひび割れや傷を治す場合は、補修箇所の埃をしっかり除去してから、製品に合った施工を行ってください。製品によって乾燥期間が違いますので、乾燥期間を守って下さい。
※生乾きの状態で塗装を行うと、剥がれの原因になります、しっかり乾燥させましょう。補修箇所が多い場合は、養生期間を含め仕上げを別日にした方が良いでしょう。
3.念入りに清掃する
掃除機やブロアなどで埃を除去します。掃除機を使用する理由は、掃き掃除では中々埃が除去できないからです。埃が残っていると剥がれの原因にもなります、念入りに行いましょう。
掃除機などがない場合は、埃が出なくなるまで何回も掃き掃除をして下さい。
床の仕上げ塗装
1.養生をする
汚れて困る箇所は、マスキングテープやマスカーで養生を行いましょう。養生を行うことでキレイな仕上がりや、作業を効率的に進めることが出来ます。
特に狭い箇所や刷毛でしか塗れない所は、仕上げ前に養生しておきましょう。
2.シーラーを塗る
床塗装の商品に合わせた、シーラーを配布します。狭い箇所は刷毛で、平場はローラーで塗っていきましょう。
注意点として、吸水(乾きが)激しいようであれば2回塗りをし、塗膜が厚すぎないようにして下さい。
DIYで失敗する方はシーラーを塗っていないことが多いです。シーラーを塗らないとどうなるか?と言う疑問については、塗料がコンクリートに急激に水分を吸われ、剥離の原因になってしまいます。
コンクリート用のシーラーやプライマーは、塗っていると塗っていないのでは塗料の伸びも違い、作業効率も上がります。
塗り終わったら、商品の乾燥時間を守ってしっかり乾燥させましょう。
3.床の塗装1回目
まずは1回目の塗装をガレージの周囲の、細かい所から刷毛で塗装を行います。
ローラーが転がせない所は、刷毛で塗膜が厚くならないように塗っていきましょう。
注意点として一回ではキレイにならないということです。塗装は2回塗りしますので、キレイに塗れないからといって、1回目から塗膜を厚くして塗らないようにして下さい。
またローラーで塗る際の最後の逃げ道を確認しておきましょう。
1回目の塗装が終わったら、乾燥時間を守ってしっかり乾燥させます。
※水性とはいえ多少匂いがします、マスクを使用するか、十分な喚起を行いつつ作業を行って下さい。
4.床の塗装2回目
最後に2回目の塗装を行います。1回目と同様の手順でキレイに塗っていきます。
横塗り縦塗りどちらでも構いません、やりやすい塗り方で行って下さい。
塗膜が厚くならないように、平滑に伸ばしていきましょう。塗り終わったら1回目より長く乾燥時間を取ります。
お疲れさまでした、工程をおさらいしましょう。
下地処理
- 汚れ落とし、脆弱部のケレン清掃
- コンクリートの補修
- 塗装前の最終清掃
床の塗装
- 養生
- シーラー塗り
- 床の塗装1回目
- 床の塗装2回目
ガレージの広さによっては、下地処理と塗装は分けたほうが良いでしょう。DIY初心者の方でも下地処理をしっかり行い、シーラーと塗料は塗膜が厚くならないようにすれば、キレイに仕上がると思います。
残った塗料は風通しが良い場所に保管し、めくれた時のタッチアップに使用しましょう。
ガレージの床塗装の専門業者とDIYでは何が違う?
一通り工程を理解したうえで、専門業者とDIYの差を見ていきましょう。
まずは材料が違うということです、専門業者が使用する塗料または塗床材は、非常に耐久性が高い物を使用します。基本的に設計会社が指定するような高耐久の塗床材は、一般の方では入手できません。
そのような高耐久な塗床メーカーは指定業者を決めています。理由としては施工にムラがあり品質不良となってしまうため、その際はメーカーにも負担が掛かります。
信頼できる施工業者にのみ商品を卸すようにしています。もちろん一般で入手可能な高耐久な商品もあります、ただ冒頭でも説明した通り、専門知識がいるため専門業者に依頼したほうが良いでしょう。
もう一つは下地処理です、専門業者の下地処理は専用の機材(ポリッシャー)またはグラインダー(研磨機)を使用し、床面に細かい傷をつけることで、塗料の吸着を良くしています。
一般の方で代用するとすれば、ベビーサンダーの刃をスチールタッチにし、床を研磨するといいと思います。ただものすごい埃が出ますので、集塵機が接続できるカバーを使用した方が良いでしょう。
最後に塗料の塗り方の熟練度です。慣れていない方はどうしても塗膜を厚く塗りがちです。薄く伸ばすように塗っていきましょう。
ガレージを塗る材料はどこで買う?
材料は近くのホームセンターやAmazonでもどこでも構いません。塗料についてはガレージの広さ(平米)を計算してから購入しましょう。
縦×横の広さを採寸し、ガレージの広さを把握します。塗料には2回塗り〇〇~○○㎡との記載がありますので、必要な広さに合わせて選択しましょう。
塗料メーカーは大手のアサヒペンなどがカラーも豊富でいいと思います。市販のアクリル系塗料の性差はほとんどないため、どこのメーカーでも大丈夫です。
ガレージの床塗装まとめ
正しい手順を行い施工すれば、DIYでも十分キレイに塗ることが出来ます。
- 下地処理、清掃をしっかり行うこと
- シーラーを塗る
- 塗膜を厚く塗り過ぎないこと
3点に注意して作業を行って下さい。ガレージの床をキレイにして気持ちよく使用できるようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。