こんにちは、とっちゃんです。
バイクのホイールベアリング交換しようと思うけど、ベアリングのすき間って何なの?
バイクにはC3すき間がいいって聞いたけど本当?
そんな疑問にお答えします。
- ベアリングの隙間の種類
- CN、C3すき間論争
- どちらでもいい理由
- 隙間より大切なこと
を権威性のあるベアリングメーカーの資料を基に解説していきます。
※あくまでも資料を基に筆者なりに考えた意見です、二輪メーカーが推奨していることではありません。
ベアリングの隙間の種類
ベアリング内部の隙間は以下の記号で表されます。
C2~C4に行くにあたりすき間が大きくなっていきます。
CNが普通すき間と考えてください。
CM=CN
CM=CNとしています、理由はCMはCNのメーカー資料にも代用可とされており、CNを注文してもこちらの表記で送られてくるので、同一としています。
CN(普通)すき間以外のすきま適用例
引用元、https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/2203_a08.pdf
C3すきまの適用例を見てみると・・・
- 鉄道車両用車軸
- 振動スクリーン
- 製紙機・ドライヤ
- 圧延機テーブルローラー
バイクや車の記載はありません、記載があればおそらくバイクユーザーはすき間の選定に悩むことはないでしょう。
適用例では分かりにくいのですき間の数値化したものがこちらです。
C2 | 0~9μm |
CN | 3~18μm |
C3 | 11~25μm |
C4 | 18~33μm |
※μm(マイクロメートル)
※アクスルシャフト15mm、ベアリング内径10~18mmの数値です。
ベアリングの製造による誤差の範囲です、正直マイクロメートルなので中央値であればCNとC3ではほとんど差がありません。
CN,C3論争
ベアリングのすき間を選んでいる方はこのCNとC3がどちらがいいか?ということに疑問を持っている方が多いはずです。
ネット上では賛否が分かれ、CN派とC3派が存在しています。
C3すき間がいいと言われる元となる資料
1・軸受内部隙間の選定について
軸受の運転状態での隙間(運転隙間)は、初期の軸受内部すきまより、はめあい及び内輪と外輪の温度差によって、一般的には小さくなる。
この運転すきまは軸受の寿命、発熱振動あるいは音響にも影響するので、最適に設定に設定する必要がある。
引用元https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/2203_a08.pdf
赤字の箇所がC3すき間が推奨される由縁だと思います。
この部分だけ見るとC3すき間がいいのか・・・と思ってしまいます。
CNすき間でもいい理由
2・軸受内部すきまの選定基準
理論的には,軸受の定常運転状態での運転すきまが,わずかに負であるとき,軸受寿命は最大と なるが,実際にこの最適条件を常に保つことは困 難である。
何らかの使用条件の変動によって負の すきま量が大きくなると,著しい寿命低下と発熱 を招くので,一般には運転すきまが,零よりわず かに大きくなるように初期の軸受内部すきまを選 定する。
通常の使用条件,すなわち,普通荷重の はめあいを用い,回転速度,運転温度などが通常 である場合には,普通すきまを選定することによ って適切な運転すきまが得られる。
引用元、https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/2203_a08.pdf
青文字の箇所を見てください、すき間が多いほうが寿命低下と発熱を招くので、わずかにマイナス(CN)すき間の方が理論上は最大のパフォーマンスを発揮する、とも解釈できます。
どちらでもいい理由
筆者としては、ガタが少ない方が精度が高い高品質なベアリングではないか?とも思います。
どちらでもいいと思う、理由として
- すき間の中央値ではほとんど差がない。
- すき間はマイクロメートルでの話である。
- アクスルシャフトの使用限度のダイヤルゲージ値半分の曲がり値が0.2mm以上とされている(筆者の車両)0.001mm単位の誤差は許容範囲。
- 余程の過酷なレースをするわけではない方。
- モトクロスなどのハードなジャンプをされる方ではない限り。
上記を理由として筆者としてはどちらでもいい、という結論に至りました。
NTN代理店にどうなんですか?との問い合わせをした方がみえました。
答え『どっちでも同じですよ』だそうです・・・・・
すき間よりも大切なこと
ベアリングのすき間で悩むよりも圧入方法で悩みましょう。
圧入する工具は精度が良い物を使用することをおすすめです、ショップによっては専門の機械を保有しているところもあります。
交換に自信のない方、すき間選びに自信がない方は信頼あるショップに相談してください。
以上となります、ベアリング隙間選びで悩んでいる方がみえましたら参考にしていただけると幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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